みなさんは正しくグラフを使っていますか?
どんな業種や職種の方でも一度は、グラフを使用した資料を作成したことがあると思います。
何気なく棒グラフを使ってみたり、円グラフを使ってみたり、
あまり深く考えて作成していない方もいるかと思います。
しかし、そのグラフで何を分析したいのか、何を伝えたいのかなど
目的によって適切なグラフが存在します。
特に、データ分析をする際や営業先への提案資料を作成する際は、誤ったグラフで作成してしまうと同じ結果でも、見え方が全く違ってしまい
伝えたいことを伝えることができなくなる可能性があります。
今回は、グラフごとにどのような分析に適しているのかをご紹介しています。
わかりやすい事例を用いて説明しているので、イメージながら一緒に考えてみてください。
棒グラフに適する分析
棒グラフは、同じ規模のデータを比較する分析に適しています。
上のグラフのように、都道府県の面積を比べたときに「どれほど大きいのか」が一目でわかりますよね。
棒グラフを作成する際のポイントは2つあります。
1つ目のポイントは、「比較したい数値」自体を一目で判断したい場合に適しているということです。
数値を比較する際に、積み上げ棒グラフや円グラフを使う方がたまにいます。
後ほど紹介しますが、積み上げグラフや円グラフは割合・比率を比較したいときに適しています。
また、棒グラフの良いところはどのデータがどの数値なのかがすぐにわかるということです。
つまり、Y軸の数値の下に該当項目が表示されているということです。
円グラフや積み上げ棒グラフは項目の名称(凡例)の位置がひとまとめになっており、多くの場合、色で判別することになるので判断の速度が落ちてしまいます。
2つ目のポイントは、同じ規模のデータを扱わなければいけないということです。
最初の例は、同じ日本という国の「都道府県」を比較したものになります。
下のグラフは悪い例になります。
国という単位と国の中の一部である都道府県という単位で比較しています。
最初のグラフでは、北海道はとても大きいということが伝わります。
しかし、悪い例ではかなり小さいという印象になります。
今回の悪い例は、伝わり方が違うからよくないということではなく、グラフとして間違っていると言った方がよいですね。
積み上げ棒グラフに適する分析
積み上げ棒グラフは、複数の項目の数値とその合計の数値を把握する際に適するグラフです。
上の例は、会社の売り上げを項目ごとに分け(リンゴ、ミカン、バナナ)、
直近3ヶ月を表示し月ごとに比較しています。
このように、それぞれの売り上げの増減と全体の合計の増減を一目で把握することができます。
別の例としては、X軸に営業の人の名前、Y軸の項目が契約数(A商品、B商品、C商品)というようなグラフです。
よくドラマとかでありますよね。
誰が何をどれくらい売っていて、全体では誰が一番売り上げ成績が良いのかが一目でわかります。
(営業って大変ですね・・・すみません。)
帯グラフに適する分析
帯グラフは、複数の項目の割合や比率を比較する分析に適しています。
棒グラフとよく似ていますが、グラフの長さがすべて同じという特徴があります。
これは、棒の長さを100%として各項目が占める割合を比較することができます。
上の例の数値は実は、積み上げ棒グラフで使用した(リンゴ、ミカン、バナナ)と同じもので作成してあります。
棒グラフが項目の数(売り上げ金額や売り上げ数など)を表すのに対し、
帯グラフは、各項目が全体に占める割合を表します。
ポイントは、グラフを使って何を知りたいのか、何を伝えたいのかによって数自体を比較するのか(積み上げ棒グラフ)、比率を比較するのか(帯グラフ)を判断する必要があります。
円グラフに適する分析
円グラフも帯グラフと同様に割合や比率を把握する際に適したグラフです。
帯グラフと違う点は、項目の数です。
帯グラフはX軸に複数の項目があり、同じ凡例の比率を比較することができますが、
円グラフは、1つの項目に対して凡例の比率を把握するときに使います。
上の例のように、今月の売り上げ内訳(リンゴ、ミカン、バナナ)を把握したいときは、円グラフが適切です。
帯グラフでも良いのではないかと思うかもしれませんが、伝えたいポイントが違います。
円グラフの場合は、今月の売り上げ内訳のみを表したいときに使い、
月別でその比率がどう変化しているかを知りたいときは、帯グラフを使います。
重要なことは、余分な情報は時と場合によっては判断を誤らせる可能性があるということです。
資料を作成する際は、伝えたい情報のみをうまくまとめることが必要です。
折れ線グラフに適する分析
折れ線グラフは、時間の経過によって数値がどのように変化しているのかを知りたいときに適しています。
人の感覚として、折れ線グラフを使うと数値を流動的に把握することができます。
また、折れ線グラフは割合や比率を比較することには適していません。
時間によって比率がどう変わるのかを知りたい場合は、帯グラフを使いましょう。
散布図に適する分析
散布図は、ある二つのデータの相関関係を分析するときに適しています。
棒グラフや円グラフと違って、あまり見慣れない方もいるかと思います。
例えば高校のクラスで生徒の成績を分析したとしましょう。
上の例を見ると、X軸に1週間のうち読書をする時間、Y軸に国語のテストの点数があります。
それぞれの点が生徒になります。
この散布図からは、読書をする時間が長い生徒ほど国語の成績が良くなる傾向にあるということがわかります。
このように、散布図はある事柄と事柄がどのような関係にあるのかを分析することができます。
使いこなせるようになれば、分析の幅がかなり広がります。
レーダーチャートに適する分析
レーダーチャートは、決まった項目のデータ量を比較するときに適しています。
レーダーチャートの特徴として、平均値との比較がしやすいという点があります。
みなさんも中学校や高校の模擬試験などで、見慣れているかと思います。
仕事で作成する例としては、競合調査などで市場平均や競合の会社との比較に使用します。
他の会社と比べて、どのような強みがあるのかを可視化することができます。
まとめ
いかがでしたか。
普段何気なく見ているグラフでも、何を伝えたいのかによって使い分けがされています。
資料を作成する際やデータ分析をする際には、まず、何を伝えたいのか、何を知りたいのかを頭の中で組み立ててからグラフにしてみましょう。