データ分析はわかりやすいアウトプットがないと意味がない?

データ分析はわかりやすいアウトプットがないと意味がない?

みなさんは分析したデータをしっかり活用できていますか?
データ分析においてとても重要なプロセスは「分析結果のアウトプット」です。

データ分析によって導き出された結果をビジネスに活用するためにアウトプットが必要になります。
では、アウトプットとは具体的にどのようなことでしょうか。
この記事では、データ活用におけるアウトプットの重要性と
分析結果をわかりやすくまとめビジネスに活用するための方法をご紹介します。

こんな方におすすめ!・データ収集はできているけど、ビジネスに役立っているかわからない
・グラフで定期的にデータを見ているが、うまく活用できていない
・提案資料などでうまくデータを活用したい

アウトプットの重要性

データ分析は、データを収集し様々な手法を用いて分析し結果を知ることができます。

では、なぜデータ分析においてアウトプットが重要なのでしょうか。
まずは、どのようなときに必要とされるのかを見ていきましょう。

データ活用におけるアウトプットとは

みなさんは、何のためにデータを分析しているでしょうか?
分析した結果を何に役立てようと思っているでしょうか?
職種や業種によって違うと思いますが、多くの場合このようなことがあげられると思います。

・意思決定をするため
・営業など提案の場で活用するため
・マーケティング施策に活用するため

細かく分けるとこのほかにも色々な場合がありますが、この記事を読んでいる方の多くはこれらに当てはまるのではないでしょうか?

では、データ活用のためのアウトプットとは何なのでしょうか。

言い換えれば、データ分析結果の「可視化」です。

それは、大きく分けて2パターンに分かれます。
・提案資料のためのデータ可視化
・意思決定のためのデータ可視化

提案資料のためのデータ可視化

営業やプレゼンの提案資料としてデータを用いることが多いです。
根拠となるデータを用いて提案することで信用度が変わります。
しかし、どんなに根拠のあるデータでもそれが相手に伝わらなければ意味がありません。

また、データは見せ方によって全く違う印象を与えてしまうことがあります。
適切な分析結果を用いてロジカルにプレゼンするためにもしっかりと分析結果をアウトプットしなければいけません。

意思決定のためのデータ可視化

意思決定のためのデータ活用は、経営方針を決定するために用いることが多いです。
またここでは、マーケティング施策等における分析などもこちらに分類することなります。
どちらも、データを活用して現状把握をし問題解決施策を決定したり、今後の方針を決めたりするという点で共通しています。
意思決定の際に誤った判断をしないように、正しくデータを読み解く必要があります。
そのためにも、データの可視化は重要になってきます。

前述した「提案のためのデータ活用」とは違い、自分たちで分析するからアウトプットは必要ないんじゃない?
と思う方もいらっしゃるかと思います。

そんなことはありません。

意思決定をするためのデータ活用においてもしっかりアウトプットする必要があります。
その理由は、次のセクションでお伝えします。

わかりやすいアウトプットが必要な理由

先に結論を述べるとデータを活用する際に重要なことは、

データを正しく読み解くこと分析結果をわかりやすく伝えることです。

具体的には、次のような理由からわかりやすいアウトプットが必要になります。

分析結果と施策の橋渡しが必要

多くの方がデータ分析と聞いて想像する作業は、

データを収集・集計⇒様々な手法によって分析⇒数値を導き出し可視化する⇒改善施策を探す

といったようなことだと思います。
しかし、多くの場合これらすべてを一貫して行っている人は少ないといえます。
特に会社・組織においては、このプロセスが分担されている場合が多いです。

マーケティング職で例えると、データベースからデータを扱える部署は運営の部署とは別にあり、データ分析で出た結果を運営部署の人が施策に活用するという流れが多いかと思います。

ここで、重要なポイントは、「データからは問題の改善策はわからない」ということです。
データ分析によって、様々な結果が見えますが、その問題となる原因や解決策はデータではなく、他の場所に起因します。

例えば、WEBサイトのアクセス解析をしたとしましょう。
PV・UUの増減や属性データの分析をして、異常値を見つけたり傾向がわかったりします。
しかし、その要因となるものは、記事内容であったりサイトのUI・UXの部分であったりデータではわからない部分に起因します。
それら要因となるものやその他マーケティング施策の内容と照らし合わせて初めてデータは活かされます。
そのため、分析結果のどこが問題なのかやどのような傾向があるのかをわかりやすく伝える必要があります。

データの見せ方で伝わり方が変わる

前述では「データを分析する人」と「データを活用する人」が違うため、わかりやすいアウトプットが必要と説明しました。
では、自分で分析するときは必要ないかというとそうではありません。

そもそも論としてなぜ、データ活用においてわかりやすいアウトプットが大切かというと根本的な部分として、データは見せ方によって伝わり方が変わってしまうからです。

例えば、直近3ヶ月の店舗ごとの売り上げを比較したとしましょう。

円グラフを使用すると、何を伝えたいのかよくわかりませんよね。
これは、うまく比較ができずデータを活用できていない例です。

次に、積み上げ棒グラフと帯グラフで見てみましょう。
積み上げ棒グラフでは、全体の売り上げは増加傾向にあることが一目でわかります。
帯グラフでは、全体の売上高に対するD店舗の売上割合が増加していることがよくわかります。
このように、すべて同じデータを使用していますが、グラフによって強調される部分が異なりますよね。

グラフの選択だけでも伝わり方が大きく変わります。
何を伝えたいのか、何を知りたいのかによってデータを適切に可視化する必要があるのです。

分析結果をわかりやすくアウトプットする方法

分析結果を正しくわかりやすく伝えることが大切ということを前述しました。
それでは、どうすればわかりやすく分析結果を可視化できるのかをご説明します。

アウトプットする際は、次のことに気を付けてデータを可視化しましょう。

目的・ゴールを決めておく

まず、データ分析を行う際の基本として、最も重要なことは「目的」を決めておくということです。

アウトプットする際は、その目的に向かってどれほど進捗したのか、KPIは達成できているのか、問題点はないかといったように
「目的」を軸に知りたい情報のみを可視化する必要があります。
データ分析をする時点で、目的を定めておくことがポイントです。
補足的なデータを使いたい場合は、別のシートでグラフを作成するなどなるべく情報を複雑化せずに作成することを心がけましょう。

何を伝えたいのかを明確にする

データ分析を営業や提案資料に使用する際のアウトプットで重要なことは、

「伝えたいことを明確にする」ということです。

前述の「目的を決めておく」という観点と同じです。
提案資料を作成するときは、特に注意しておきましょう。
最終的に相手にどう思ってもらいたいたのか、そのためにはどんな情報が必要なのかを考えてデータを可視化していきましょう。

可視化する際には、伝えたい内容を強調するようにビジュアライズすることもテクニックのひとつです。

ポイントは、情報を詰め込みすぎずにデータを絞り込むことです。
多くの情報を伝えたいときは、しっかり構成を考えてひとつひとつの情報を流れで伝えていきましょう。

わかりやすいグラフで可視化する

前述したとおり使用するグラフで全く伝わり方が変わります。

適切なグラフを使用することが大切になります。

データ分析の目的を考えたときに、すぐに可視化した状態のデータが頭に浮かばない方は、改めてグラフの使い方を見直してみてください。

あわせて読みたい!こちらの記事で、目的によって適切なグラフの選び方をご説明しています。
記事:分析の目的によってグラフを選ぼう。適切なグラフでなければ意味がない?

また、様々な手法で分析できるようになってきた方が陥りやすいのが、複雑なグラフや表を用いてアウトプットしてしまうという点です。
複雑な分析を行えば、より深く密度の濃い結果を導き出すことができます。
自分で分析して、意思決定や問題解決に使っている方にもあまりおすすめはできません。
何らかの意思決定を行うにしても、ましてやマーケティング等の問題解決を行うのなら複雑な分析よりもPDCAの回転率を上げる方が重要だからです。

知りたい情報を決め必要なデータ以外はなるべく取り除いた状態のものがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか。
今回は、データ活用におけるアウトプット、データの可視化についてお伝えしましたが、わかりやすいアウトプットは、何事にも共通することだと思います。
伝えたいことを伝えられるように、しっかりと情報をまとめてアウトプットしましょう。