データ分析ってなにを見ればいいの?3つの視点で改善施策を見つけ出す

データ分析ってなにを見ればいいの?3つの視点で改善施策を見つけ出す

近年、AIの発達やビックデータの活用により、データ分析の重要性が高まってきました。
アクセス解析チームやデータサイエンティストなどデータ分析を専門とする職業も活躍してきていますが、データ分析は専門職の方だけでなく、経営者、営業職そしてとくにマーケティングに関わる部署の方々にとって重要な役割を果たします。

しかし、「データ分析」ってよく聞くけど、どんなデータを収集してどこを見て何を判断すればいいのかよくわからないという方も多いかと思います。

また、レポートを作成してデータの可視化はできているけど、うまく活用できていないという方も多くいらしゃいます。

例えば、売り上げのグラフを見て、
何となく「売り上げが落ちている」とか
「この商品が売れている」とか
大まかな現状を把握するだけになっているなど。

今回は、そんな方のために「データの見方」をご紹介します。

こんな方におすすめ・データ分析って何をすればいいのかよくわからない
・グラフや表でデータの可視化はできているけど、うまく活用できていない
・そもそも数字を見ただけでは何もわからないでしょと思っている

今まで何となく見ていたグラフから、問題点を見つけ改善につながる施策を行えて初めてデータ分析の意味があります。
今回紹介する3つのポイントを押さえておけば、
今まで見えなかった問題点が見えてくるはずです。

データ分析のポイント

データ分析において、最も重要なことは「目的」を明確に持っているということです。
何を知りたいのか、そのためにはどんな情報が必要なのかを考え、収集・加工するデータをまとめていきます。
データの何を見ていいかわからないという方は、何を知りたいのかをまず明確にする必要があります。

しかし、今回は「既存のグラフから今まで気づかなかった問題点を見つける」という点でお話しします。
データ分析における目的の重要性については別の記事で書こうと思います。
まず、この記事の結論を先に書いてしまうと、
下記の3つの視点がポイントになります。

・全体の数値を視る「鳥の視点」
・数字の内容を細かく視る「虫の視点」
・数字の流れで視る「魚の視点」

上記の「鳥の視点」「虫の視点」「魚の視点」は、私がクライアントにかみ砕いて説明する際に用いるたとえです。
重要なことは、可視化したデータ(数値)は分析する角度を変えることで
見える結果が変わってくるということです。

例えば、WEBサイトのアクセス解析を行い様々なグラフを用いてレポーティングしたとしましょう。
今月のPV数・UU数の折れ線グラフや月別のPV数の棒グラフ、属性比率における円グラフをみて
何となく、今月はこれくらいアクセスがあって、先月より下がった上がったなどを見たとしてもそれは、データ分析としては不十分です。

可視化したデータから、目的・目標を達成するための改善策を見出せるか、
問題点を見つけ改善することができるかが重要になります。
そしてこれは、WEBサイトのアクセス解析やマーケティングにおける数値分析などだけでなく、財務分析や経営方針の意思決定、その他KPI設計や問題解決施策のための分析にも役立ちます。

では、実際にどのようにデータを見れば何がわかるのか、ひとつずつ見ていきましょう。

全体の数値を視る「鳥の視点」

前述した3つのポイントは、見る順番も大切になってきます。

まず、データを見るポイントは、全体の数値をおおまかに見ることです。
これは、みなさんもなんとなくグラフを見ていれば出来ているかと思います。

では、全体を見て何がわかるのか?

それは、異常値です。

簡単な例を上げると、下記の画像のような日別のPV数の棒グラフがあるとします。

このグラフを見て異常値を考えると、8日と15日がアクセスが多い、27日~31日がアクセスが低いということがわかると思います。
これは、だれが見てもわかりますよね。
これでいいんです。まずは全体を見て異常な数値を把握することが大切です。
後述の視点から、その異常値の原因を紐解いていくことになります。

ここで注意が必要なのは、「全体」をどの範囲で捉えるかとうことです。

例えば、サイトでどんな記事が多く読まれているのかを知りたいとしても、サイト全体の傾向を知りたければサイト全体、
カテゴリ別の傾向を知りたければ1カテゴリだけの数値をみましょう。
全体の対象をその目的によって変えることで、より正確な結果に近づきます。

数字の内容を細かく視る「虫の視点」

全体を見て、異常値を見つけた後は、その異常値の原因を探っていきます。

なぜ、アクセスが増えたのか、その日の状況や行った施策の確認をして要因を推測します。

推測して調べた結果、8日、15日、25日にメルマガの配信を行ったことがわかりました。
だとすれば、8日、15日のアクセス増加はメルマガからの流入施策が成功したことがわかります。

しかし、全体の日別グラフに戻り25日のアクセスを見てみると8日と15日ほどアクセス数がありません。
全体で見たときは気にならなかった数字ですが、メルマガ配信日のアクセス数で比較すると明らかにアクセス数が少なく異常値であることがわかりました。

原因を見つけるためにこの日のメルマガを再確認する必要がありそうです。
対象メルマガの内容が他のメルマガと何が違うのか、メルマガの内容と載せていた記事の整合性が取れているか、などアクセスに結びつかなかった要因を見つけ出すことが大切です。

また、成功した施策を深堀し、どこがよかったのかを見つけ出し、次回以降の施策に組み込んでいくことも重要になります。

このように、異常値の原因を深堀していくことによって、次回行う施策の改善に繋がったり、今まで気づけなかった問題点を見つけ出すことができます。

数字の流れで視る「魚の視点」

最後に、データを流れで見てみましょう。

ここでいう流れとは、データの推移になります。
一番わかりやすいのは、期間の推移による分析です。
1年間でどのように推移しているのかや前年・前々年の同時期との比較など、対象となるデータがどのような動きをしてその数値になっているのかを把握しましょう。

例えば、前述の27日~31日の数値を推移で見てみましょう。
全体で比較するとアクセス数が少なかったので、深堀してみたけどいまいち原因や改善策が見つかりませんでした。
そこで、先月・先々月の日別PV・UU数のグラフを並べてみました。

すると、毎月同じように27日頃からアクセス数が下がっているのがわかります。
どうやら月末あたりにアクセス数が下がる傾向にあることがわかります。
ここまでわかれば、さらに深堀していき、原因となる共通点を見つけることが改善につながっていきます。

例えば、月末は記事の更新がなくサイトにあまり動きがないため読者はサイトに訪れないということがわかれば、新記事の更新をしたり、その他サイトに訪れてもらうためのアクションを起こす必要がありますね。

このようにデータを流れで見ることにより、違った問題点を見つけ出すことができます。

また、どのように推移して現状の数値になっているかによって行う施策も変わってきます。

特に経営視点における来期予測などに役立てることもできます。

経営視点の分析は、また別の記事で書こうと思います。

まとめ

今回は単純な例を用いて説明しましたが、扱うデータによってもっと複雑になります。
さらに、新規とリピーターの動きや属性別の分析などと組み合わせて分析することで、
より細かい問題点を見つけることができます。
複雑なデータも見るポイントを押さえておけば必ず問題点を見つけることができます。
全体を把握し異常値を見つけ、深堀し流れで比較しながら問題点を見つけ出す。

今までなんとなくグラフを見ていた方は是非、3つの視点からデータを分析してみてください。
きっと、今まで見えてこなかった問題点を見つけ出すことができると思います。